こんにちは、サックリです。
この記事では、米澤穂信さんによるミステリ小説〈ベルーフ〉シリーズを紹介します。
「ベルーフ」とは、ドイツ語で「天から授かった職業」「職業」「使命」を意味する言葉。
主人公・太刀洗万智がジャーナリストという職業に対して真摯に向き合っていく姿が魅力的なシリーズになっています。
「〈ベルーフ〉シリーズが気になる!」
「読む順番がわからない!」
という方は、この記事を参考にしてください!
シリーズを読む順番
『さよなら妖精』から読むのがオススメ!
現在、〈ベルーフ〉シリーズは『王とサーカス』『真実の十メートル手前』の二作品が刊行されていますが、僕は『さよなら妖精』という作品から読むことをお薦めします!
理由は、以下の2つです。
- 高校時代の太刀洗を知ることができるから
- 『真実の十メートル手前』に『さよなら妖精』の登場人物が登場するから
太刀洗の過去を知っておいた方が、〈ベルーフ〉シリーズへの理解が深まると思います。
ぜひ、『さよなら妖精』から読んでください!
時系列順に読みたい方は、以下の表を参照してください!
- 1991年『さよなら妖精』
- 新聞記者時代「真実の十メートル手前」
- フリーに転身
2001年『王とサーカス』 - 時期不明「正義漢」「恋累心中」「名を刻む死」「綱渡りの成功例」
『真実の十メートル手前』収録
- 2006年「ナイフを失われた思い出の中に」
『真実の十メートル手前』収録
既刊作品
『王とサーカス』(2015)
STORY
海外旅行特集の記事を執筆するため、南アジアの国・ネパールを訪れた太刀洗。
ところが、数日後、王宮で王族が皇太子に殺害される大事件が勃発する。
急遽、太刀洗も現地取材を始めるが…。
実際に起きたナラヤンヒティ王宮事件を背景に、軍人殺人事件の謎を解決していく本格ミステリ。
捜査の過程で描かれる首都カトマンズの様子から異国情緒を味わうことができます。
また、ある人物との会話をきっかけに「記者の責務」に関して、太刀洗が葛藤する部分にも注目。
国内ミステリランキング3冠の傑作です。
#『このミス』1位 #海外が舞台
『真実の10メートル手前』(2015)
STORY
経営破綻したベンチャー企業の社長と、その妹が姿を消した。
録音された通話記録から妹の居場所を割り出した太刀洗は甲府へと向かうが…。
(表題作)
世間に衝撃を与えた高校生男女の自死。
都留は、太刀洗と共に取材を開始するが、やがて事件に違和感を感じ始め…。
(「恋累心中」)
全六篇収録の短編集。
失踪や心中、殺人など扱われる事件は、全体的にシリアスな内容が多いです。
また、前作に引き続き、太刀洗の仕事に対する向き合い方が描かれています。
最も印象に残った短編は、「名を刻む死」。
衰弱死した老人が望んだ「名を刻む死」とは何か、という謎を太刀洗が追求していきます。
取材に同行する中学生・京介が抱える罪悪感は、読んでいて胸が苦しくなりました。
#短編集
番外編:『さよなら妖精』(2004)
STORY
1991年4月、守屋と太刀洗は、ユーゴスラヴィアから来た少女・マーヤに出会う。
マーヤが帰国するまでの3か月間、守屋たちは様々な日常の謎に遭遇していく。
その1年後、守屋は過去の記憶や日記、文献を基に最大の謎解きを始める。
戦火が広がるユーゴスラヴィア、マーヤはどの国に帰っていったのか。
万智の友人・守屋路行の視点で物語が進行。
マーヤの目線を通して、日本独自の文化や慣習が「日常の謎」という形で描かれていきます。
米澤穂信さんの卒業論文のテーマが「ユーゴスラヴィア」で、それを「何らかの形で小説にしたい」と思って書いたのが本作らしいですよ!
#青春ミステリ
おわり
〈ベルーフ〉シリーズを紹介しました。
興味を持った方はチェックしてみてくださいね!
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